ポリ黒5巻


マティアが風邪をこじらせる話。寿命という概念の無い精霊と、それと比べると短命としか言いようが無い人との関係を全面に出した話になっている。ポリフォニカシリーズでは黒の話が安心して読んでいられる。それは、彼らが探している犯人像が、謎はあるものの受け入れがたいタイプの相手ではないからだろう。今回の相手も最後にとんでもないものを持ち出してきたりして謎を含んだものとなっているが、それでも相手として受け入れがたい感じでは無かった。マティアとマナガの復活が少し唐突な感じがしてしまい最初に読んだときにはあっけにとられたが、ここの部分に時間を割いても冗長になると言うことなのだろう。当たり前の様にレオンが出てきてその彼の回顧というかたちでまた、精霊と人間の違いというものを出してきているが、それもまたこの黒シリーズの根底となるものなのだろう。マナガの片羽根といいそれがぼろぼろである点といい色々と謎が残っており、今回また謎な言葉が追加された事も併せて今後の動きに注目なシリーズだと思う。