声魅せ

一つ前のエントリで軽く書評した内の一つ、「声魅せ」だが、気になる所があったので軽く読み直してみた。以下ネタバレ有りの感想第二弾。

一番に気になった所は、一人称で進む文章に対して会話の部分だけ抜き出した場合、主人公の動きというのはどの様に見えるのかという所だった。読み直してもあまり深い所が解った訳では無いが、かなりナイーブな変人に感じるのでは無いかと思えた。初期の沙奈香との会話部分などは、地の文で嘘を書いている様に感じるほどうろたえた感じを受けてしまう。本当はかなりパニックになった状態で、それが言葉には表れているのに、心象風景としての文章にそれを書いていないと思うのは、勝手な思いこみなのだろうか。多分これは最後の方までつながっている問題で、外から見た形で物語を紡ぐともっとコメディタッチでそれで居て二人の仲という面では緊迫したものになったのでは無いだろうか。
もう一つ気になる部分は、おっちゃんのハンドルはレイだけでなく、ブラッドベリもそうなのでは無いかということだ。二回目も流し読みだからどっかにキチンと書かれているかもしれんが、233℃でレイでブラッドベリなんて統一したものに二人の意思を揃えるよりも名前からレイが出てきて、二つめの名前を一つめに因んだ有名人からとりグループ名をその有名人の作品からとったというのはある意味自然な流れなのだろうと感じられる。そのように感じるくらいだから当たり前に一人の名前の表と裏なんだろうなあと感じてしまう。また同一人物だと考えることで、瞳で魅せてよの脚本OKの下りが、すんなりと読める様に感じるのである。
あまり本題に関係ない部分であるが、何となく気になっていたので、確認のため再読しそこで感じたことをつらつらとまとめてみた。

追記
読み直してみたらやっぱりブラッドベリはおっちゃんだという事になっていた。本当に流し読みだなあ。3回目でやっと気付くとは。