進歩とは

将棋世界9月号の羽生名人インタビューで出ていた言葉。

藤井システムや中座飛車のように、ほんとうにオリジナルなもの、ものすごく画期的なものが出て、あとは微修正がずっと繰り返される。<中略>
升田式石田流は升田先生が創ったロマンあふれる戦法ですが、研究が進むということは、ロマンをなくすことなのかもしれません。でも逆にいうと、それはすごく進んだということなんです。

ロマンをなくすということが進んだということをいえる所。
この言葉が当て嵌まる状況とそうでない状況はあると思う。ただ、このような言葉が当て嵌まる世界というものを、とても美しいものだと私は思う。色々なものをそぎ落としていった先に残る精神こそが、最初の開拓者が生み出したものと言うことが出来るのでは無いだろうか。
生み出された当初は、人の名が付きその業績が讃えられるものも、月日が流れていけばその精神だけが残る。何となく、数学の定理や物理法則のと似通ったところが感じられる言葉であった。